北関東
土佐和史 | Kazufumi Tosa

2018年7月25日発売予定

判型:210 x 297mm
頁数:88頁、掲載作品56点
製本:ソフトカバー
価格:3,500円 + 税


場末の、市井の人々と真摯に向き合い撮影されたポートレイトは見る者すべての心に突き刺さる究極のストレートフォトであり、土佐和史の北関東への優しく愛に溢れる眼差しと鋭い視線によって写し出された優れたドキュメンタリーであり、そしてラブレターである。虚飾のない写真の素直な本質がここに或る。SUNLIGHT MEMORIESにおいて繊細で眩い光を捉えて見せた著者の第二作品集。

 

─ 北関東は負い目を感じている。それがたまらなく艶っぽく美しいのだ。 / 大都会に対する引け目や劣等感を持ちながらも不器用に密やかに自己表現する、その姿からは優しさやエロスが匂う。そんな北関東が好きだ。 / 広い閑散とした国道を走るとき、錆びれた場末の色街を歩くとき、私はいつもそこに情景を見る。 / 北関東。私は愛を込めて、差別して、そう呼ぶ。─ 土佐和史ステートメントより

 

 

 

風に転がる紙屑に書かれたような美しい、光と踊るネズミのグラフィティ史
横山隆平 | Ryuhei Yokoyama

2018年7月13日発売

判型:297 x 210mm
頁数:96頁、掲載作品47点
製本:ソフトカバー
価格:3,000円 + 税

 

─ どこかで読んだマノエル・ド・オリヴェイラの発言、”説明をほどこそうとはしない光にひたっている、あふれんばかりの素晴らしい記号たち”という言葉に惹きつけられながら ─という展示の際に書かれたステートメントにあるように、一連の作品群は2012年頃から2018年にかけて、都市に転がる記号、都市を構成する雑多な対象を静物としてひとつひとつ切り取り、撮影と展示を繰り返し行いながら発表、更改が続けられた。その過程でグラデーションのように自然に視線や対象が雑景やイメージ、グラフィティへと移っていった。それらは昨年までに「都市と物ども三部作」として企画され、第一部、第二部が少部数のZINE形式で出版された。本作は第一部、第二部に未刊行の第三部と共に新たなカットが加えられ再編集、完結された。フィルムによる圧倒的なモノクロ写真群は、やがて沈黙に似る──

 

 

 

猥写 - Small universe inside of me -
パイソン中村 | Python Nakamura

2018年7月7日発売

判型:210 x 297mm
頁数:86頁、掲載作品63点
製本:ソフトカバー
価格:2,500円 + 税

 

女性とエロスを人生に重ね合わせ追い続ける写真家、パイソン中村。様々な葛藤や母の死を経て、表現の場を外へと向け精力的に作家活動を開始。日常と隣り合わせの非日常を切り取った私写真で構成された、作者自身の初となる作品集。被写体となった女性たちから見える刹那な感情や生き様が糸となり彼の人生を綴る。

 

ー僕にとって写真とは、アートなんて空々しい言葉ではなくて、僕自身を写し出すもの。 / 母が亡くなった二時間後には飯を喰い、三日後には女を抱いている自分が居ました。 / それも真実。 / 日々の生活に潜む狂気の世界 / そんな多くの方が目を背けたり、ひた隠す情景に希望と愛すら感じるのです。ーステートメントより

 

 

 

Me De Ru
上野裕二 | Yuji Ueno

2018年8月初旬発売予定

 

"愛でる"とは見て愛するというニュアンスの言葉だ。近所のごみ捨て場、友人、亡くなった祖父、妻の妊娠から出産、旅行先の風景。本作に収められた作品は、ほとんどが上野裕二の私生活である。並べられた光景に目新しさはないかもしれないが、素通りできないなにかを感じさせるのは、愛でるという不断の行為を執拗にまで意識的に継続しているからだろう。そこにあるのは、逡巡する日常への愛と、もっと愛したいという望み、そして現在進行形の確かな希望の眼差しである。
フリーランスフォトグラファーとしての多忙な日々と並行して、作品を撮り続けてきた著者初となる本格的な写真集。

 

─ 私には足りない / 愛が足りない / 愛することが足りない / 正解はいらない / 唯一の希望なのだ / 今こそ心を穏やかにして / 大切に大切に / 記憶を愛でる ─ ステートメントより

 

 

 

山遊鹿々人々図
多田ユウコ | Yuko Tada

2018年8月8日発売予定

判型:297 x 220mm
頁数:40頁、掲載作品28点
製本:ハードカバー、特殊スリーブ入り
価格:未定

 

日本の伝統文化や芸能にも通ずる日本独特の空間概念である「間」「余韻」「余白」(寄稿文より引用)を写真表現の中心に据え作品制作に取り組み、Mio 写真奨励賞10周年記念作品賞受賞や上野彦馬賞 日本写真芸術学会奨励賞を受賞するなど各方面からの高い評価を集める多田ユウコの初めてとなる作品集。その概念は写真のみに収まらず、装丁や特殊スリーブなど作品集の作りそのものにも明確に表現されている。

 

─ 写真は、ある意味「間」を切り取る手段です。しかし「間」と一言にいっても、多数のベクトルが存在する概念です。写真を撮る行為においても、撮る瞬間、被写体との距離感、写っているものの関係性、構図の空間構成・・・撮った後は空間としての展示方法、写真を見せる流れ、リズム感・・・など、あふれるように「間」が交錯している事を感じます。
私は、その写真という表現方法を用いて、作品の中に多方向から交差するような「間」を自ら見出し且つ実験的に撮影し、遊びの中で明確に表現してゆきたいと思います。
そして、その可能性を探ってみることが私の写真家としての課題だと感じています。─
寄稿文より

 

 

 

Compartimos
水渡嘉昭 | Yoshiaki Suito

2018年8月初旬発売予定

 

コマーシャルフォトグラファーとしての活動の傍ら、精力的に海外へ出向き撮影を重ね数々の作品展示を行ってきた水渡嘉昭の初となる作品集。暗然としていた過去の境遇から抜け出し、非日常を求めた先に、彼は自分だけの楽園楽土を中南米の地に見つけた。行く先々の出会いのなかで撮られたポートレートや風景は、彼がその土地に身を置く安堵感や旅の楽しさ、被写体たちへの愛に満ち溢れている。

 

ー 旅の途上、ある時は出会った人々との間に、ある時は一人ポツンと立つその大地との間に生まれる新しい空間があった。そんな一瞬の空間を、人と大地と共に分かち合えた事が、僕の財産になっている。ーステートメントより

 

 

 

KOTOHIRA
溝縁真子 | Mako Mizobuchi

2018年8月初旬発売予定

 

ドイツ·ライプツィヒ視覚芸術大学に学び、明確なコンセプトをもとに生活の中での気づきや実践を根拠に作品制作を行う溝縁真子。本作は作家のルーツとなる故郷琴平にある祖母の家を中心に撮影され、2016年に極めて少部数のアーティストブックとして制作された。出展の度に寄せられる数多くの求めの声に応じてバッファロープレスより新たに新編集版として刊行。

 

─ 2014年の春以降、ドイツからの一時帰国のたびに幾度となく琴平を訪れて撮影を重ねてきました。 当初は、脳梗塞で突然の入院生活となった祖母に、もう帰れないかもしれない彼女の家を見せてあげたいという動機でした。いつしかふと気がつくと、撮り進める行為自体がわたしのためになっていました。そこに在るものが導き出す光や影は、わたしが知っているようで知らない祖母の生活に少しずつ近づくことを許すように、毎回違った表情をしていました。そして、その静まりかえった空気をすこし揺らすたびに、ものに宿る祖母の気配が少しずつ解かれ、新しい変化を受け入れるための軽やかさを取り戻したように感じました。 あるいは、撮ることによってその空間やものが、祖母の生活を守るものであったという一つの役割を終えることができたのなら、わたしはこの一冊の写真集に意義を見出すことが出来るかもしれません。 ─ ステートメントより